清泉亀の翁(きよいずみかめのお)の蔵元・久須美酒造の酒蔵見学

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良寛和尚の眠る田園地にて、高精白の原料米から透き通るような美酒を醸す久須美酒造の美酒を販売します
清泉(きよいずみ)、亀の翁など新潟でも人気の日本酒を醸す久須美酒造、幻の米亀の尾復活の逸話は
漫画夏子の酒のモデルとなり、新潟日本酒の魅力を大勢の方に伝える原動力になりました。
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“夏子の酒”のモデルとなった久須美酒造の酒蔵訪問 ― 2012.2.6 ―
2012年2月6日(月)、商品引取りをかねて、隣町の長岡市和島にある久須美酒造へ出かけ、蔵内を見学させていただきました。TVドラマ化もされた漫画「夏子の酒」のモデルとしても知られる久須美酒造、一般の消費者へは原則非公開のこの蔵ですが、中の様子を見ればこの蔵の酒造りに対する高い意識と情熱が伝わってきます…。
平成18年を超えるほどの豪雪となった平成24年ですが、この日は抜けるような青空の下、柏崎から車で約40分かけて蔵に到着します。案内役の久須美賢和専務と事務所で話をしたあと、さっそく白衣に着替え、まずは原料米処理から見学です。写真右はこの蔵自慢の洗米機、厨房機器のような小型サイズですがこれだけで高級車一台が買えてしまうんです…。
続いて洗ったお米を水に浸す浸漬タンク、そして精米したばかりの幻の米・亀の尾です。この亀の尾を用いて人気酒清泉亀の翁(きよいずみかめのお)清泉亀の王(きよいずみかめのおう)夏子物語花火(なつこものがたりはなび)などが醸されます…。一番右の写真は下からの蒸気でお米を蒸す釜です。
―上の3枚の写真は2010年に訪れた際に撮影したものとなります―
立ち上る蒸気の中、蒸したお米を冷ますために蔵人は手作業で取り出します。釜場仕事は勇壮なので、昔これを見た女性は一発で作業する蔵人に惚れたんだとか…。
続いて酒造りの心臓部、こうじ室へ。左写真の手前は、蒸したお米に種こうじ菌をふりかけ布団を掛けて温度を高め、こうじ菌がお米に食い込むようにしている状態です。この後、いくつものせいろのような形をした“蓋(ふた)”という道具に小分けにし、こうじ菌が均一にお米に繁殖するようにします。こうじ米は酒質の根幹にかかわるもの、何かあっては大変なので室内にいるだけでも緊張します…。
完成したこうじ米はこうじ室から出され保管スペースに。用途別に使い分けるため、表面を異なる形で模様付けられていました。アップで撮影してみましたが、こうじ菌の菌糸がお米に食い込んだ様子はチョット分かりにくかったですね。「よかったら手にとってみてください」と専務に促され、恐る恐るひとつまみ…、口に含むとほんのりと甘みを感じました。
続いて酒母(しゅぼ)室へ、酒母は「もと」とも呼ばれ、アルコール発酵の重要な役割をはたします。久須美酒造では近年、“汲みかけ”という非常に手間のかかった方法で酒母造りを行っています。専務自ら「これを使うんですよ」と道具片手に説明をしていただき、余計作業の大変さが伝わります。現在はその道具はステンレス製ですが、部屋の片隅には以前使用していた木製のものがありました…。
酒母(しゅぼ)タンクの中はこんな感じで、まるで生き物のようでした。続いて仕込みタンクへ向かいます。いくつも蔵めぐりはしましたが、久須美酒造ほど“チリひとつない”といった表現がピッタリの蔵はありません。仕込みタンクの裏側には一張羅のスーツでも抱きつけるほどなんですから…。一番奥には、星杜氏が毎年鑑評会用の大吟醸清泉大吟醸、清泉亀の尾)を仕込むタンクが二つ厳かな雰囲気で並んでいました。(蔵の意向によりタンクの黒板部分は修正してあります)
2012年2月29日(水)メルマガVOL109からの続きです
続いて仕込みタンクの上部に移動しました。いくつかのタンクを横目に通り過ぎ、先ほどの大吟醸を仕込んでいるタンクまで…。専務から“ふた”を開けていただき、タンク内のもろみ醗酵具合を見させてもらいます。まだ醗酵途中ながらさすが蔵自慢の大吟醸、豊かな吟醸香がふわっっと広がりました。
タンクの内部のもろみはまだまだ醗酵の初期段階、小さな泡がプチプチとはじけています。やがて酵母がより一層活動し、もろみ内の糖化物質をアルコールと炭酸ガスに変えるのが「お酒造りの仕組み」というわけです。

ふと見ると、(かしら/杜氏の次の立場になる現場責任者)と呼ばれる蔵人が仕込み作業の合間に床掃除をしていました。聞けば特別な事でなく日常作業の一環だとか。久須美酒造の素晴らしさはまさにここ、「当たり前の事を当たり前にやっているだけですから」と謙遜されていましたが、酒質向上は技術的なものだけでなく、何よりもその取り組む姿勢が大切なんだと教えて頂いた気がしました。

感動のまま、槽場(ふなば/一カ月近くかけて醗酵したもろみを搾る場所)へと移動します。
久須美酒造では、機械によるものと(ふね)と呼ばれる昔ながらの方法を併用してお酒を搾っています。もろみから搾られた液体がお酒、のこった固形物が今話題の酒粕(さけかす)というわけです。ご厚意で少し酒粕を食べさせて頂きましたが、美味しい酒の酒粕はしっとりとしていてやはり美味しいものでした…。

最後は白衣を着替えるために応接室へ。壁には鑑評会の好成績の結果が飾られていますが、何よりも誇りなのはこの(写真右)だとか。これは労働現場で長期無事故を達成した企業だけに授与されるものです。この蔵の無事故記録は通産20年以上、『人があってこその酒造りですから蔵人たちの無事が何よりも財産』と言う久須美酒造、この蔵が美酒を生み出す真髄を見たような気がしました。

美酒考房西巻酒店の5つのポリシー
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